こんにちは。ラグジュアリー・ウォッチマン、運営者の「Yuto」です。
最近、時計好きの仲間と集まると、必ずと言っていいほど話題になるのがロレックスの価格改定についてです。正直なところ、多くのファンが「さすがにロレックス、値上げしすぎじゃないか?」と感じているのが本音ではないでしょうか。SNSやネットニュースを眺めていても、2024年に繰り返された価格変更への戸惑いや、来るべき2025年の値上げ予想、さらには「もう高すぎて暴落するんじゃないか」「定価割れするのでは」といった憶測まで飛び交っていて、何が真実なのか見極めるのが難しくなっています。かつてのロレックスの相場感を知っている身としては、現在の定価は確かに驚くような水準ですし、「もう普通の会社員には買えない」「ロレックスはオワコン化した」なんていう極端な声も聞こえてきます。でも、だからこそ感情論ではなく、今後の定価がどう推移するのか、そして資産価値はどう変化していくのかを冷静に分析する必要があるんです。
- ロレックスが頻繁に大幅な値上げを行う4つの根本的な背景と構造
- 過去数年の具体的な価格推移データから見る現在の異常な高騰状況
- 2025年以降の価格改定シナリオとそれが資産価値に与える影響
- 値上げが続く厳しい現状でもあえてロレックスを購入すべき決定的な理由
ロレックスが値上げしすぎと言われる4つの理由

「また上がったの?」と、ニュースを見るたびにため息が出てしまうロレックスの価格改定。以前は数年に一度あるかないかという頻度だったのに、ここ最近はペースも上げ幅も明らかに変わってきています。なぜここまで急激に価格が高騰しているのか、その背景には私たちユーザーからは見えにくい、世界的な経済事情やブランドの緻密な戦略が複雑に絡み合っているんです。ここでは、その主要な要因を深掘りしていきます。
2024年のロレックス値上げの振り返り
2024年という年を振り返ってみると、ロレックスの値上げ頻度とタイミングは、多くのファンにとって衝撃的なものでした。これまでは「だいたいこれくらいの時期に来るだろう」という予測がある程度通用していたんですが、最近はそのセオリーも崩れつつあります。
異例のハイペースな価格改定
具体的には、1月と6月という半年ごとのペースで価格改定が行われるケースが目立ちました。しかも、上げ幅が数パーセントという可愛いものではなく、モデルによっては一気に10%近く跳ね上がることもありました。これ、金額にすると数万円から十数万円のアップですから、購入資金をコツコツ貯めていた人にとっては、ゴールポストを突然動かされるようなものです。「あと少しで届く」と思っていたデイトナやGMTマスターIIが、一夜にして遥か彼方へ行ってしまった絶望感は計り知れません。
サイレント修正の衝撃
特に印象的だったのは、事前の公式発表なしに定価が切り替わる「サイレント修正」のような動きです。公式サイトの価格がしれっと更新されていたり、店舗に行ってみたら値段が変わっていた、なんて経験をした方もいるかもしれません。この予測不能な動きが、「値上げしすぎ」「ついていけない」という諦めの感情を生んでいる大きな要因だと私は感じています。ユーザー心理としては、せめて「来月から上がります」というアナウンスがあれば駆け込むこともできるのですが、それすら許さない姿勢にブランドの強気さを感じざるを得ません。
過去のロレックス値上げ推移と価格表

「昔はデイトナも100万円台で買えたんだよ」なんて話をすると、古参アピールみたいで嫌がられるかもしれませんが、実際の数字を見るとその異常さがよく分かります。ここ5〜10年の推移を振り返るだけで、ロレックスの立ち位置が激変したことが一目瞭然なんです。単なるインフレの枠を超えた、ドラスティックな価格変動を見てみましょう。
| モデル | 約10年前の定価目安 | 現在の定価目安 | 上昇率 |
|---|---|---|---|
| コスモグラフ デイトナ | 約120万円 | 約210万円〜 | 約175% |
| サブマリーナー デイト | 約80万円 | 約140万円〜 | 約175% |
| エクスプローラー I | 約60万円 | 約100万円〜 | 約166% |
| GMTマスター II | 約85万円 | 約150万円〜 | 約176% |
※価格は当時の税率やモデルチェンジを含んだ概算であり、現在の正確な定価は公式サイトをご確認ください。
こうして表にしてみると、主要モデルが軒並み「10年前の倍近い価格」になっているのが分かりますよね。特にデイトナやサブマリーナーといった人気プロフェッショナルモデルの上昇幅は凄まじいものがあります。かつては60万円前後で手に入り、「最初の高級時計」として親しまれたエクスプローラーIでさえ、今や100万円の大台に乗っています。
ポイント かつてのエントリーモデルの価格帯が、今では他ブランドのハイエンドモデル並みになっています。「ちょっとボーナスで頑張れば買える実用時計」から「選ばれた富裕層しか買えない資産」へと、ブランドの性質自体が変化しました。
2025年のロレックス値上げ予想と傾向

さて、最も気になるのはこれからの話です。「2025年もまた値上げするの?」という疑問に対して、私の見解は残念ながら「YES(値上げの可能性が極めて高い)」です。これには明確な根拠がいくつか存在します。
止まらない円安とスイスフラン高
一番の理由は、依然として続く「為替(円安)」の影響です。ロレックスはスイスの企業ですから、基本的にはスイスフランでビジネスをしています。日本円が弱い状態が続けば、グローバルでの価格差(内外価格差)を埋めるために、日本国内定価を引き上げざるを得ません。これは企業努力でどうにかなるレベルを超えており、為替レートが劇的に改善しない限り、日本円での定価は上がり続ける宿命にあります。
原材料費と人件費の高騰
さらに、時計の製造にかかるコストも上昇の一途を辿っています。特にゴールドやプラチナといった貴金属の相場は歴史的な高値を更新し続けており、コンビモデルや金無垢モデルへの価格転嫁は避けられません。また、スイス国内の人件費や輸送コストの上昇も、定価を押し上げる要因となっています。
過去の傾向から予想すると、1月1日は価格改定のXデーになる確率が極めて高いです。新年と同時に新価格、というのはロレックスの常套手段になりつつあります。もし2025年に購入を検討しているなら、「年明けにはさらに高くなっているかもしれない」という覚悟を持って動いた方が精神衛生上良いかもしれません。
ロレックス暴落や定価割れの可能性

「こんなに値上げばかりして、いつかバブルが弾けて暴落するんじゃないか?」という不安の声もよく耳にします。確かに、投資対象として見られすぎた反動で、一気に価格が崩れるのではないかという懸念は理解できます。定価割れが起きるなら待った方がいい、と考えるのは当然です。
しかし、現状を見る限り、人気モデルに関して「定価割れ」が起きる可能性は極めて低いと私は見ています。確かに、二次流通市場(並行輸入店など)の実勢価格は、2022年頃のピーク時に比べると落ち着きを見せています。一時期のような「定価の3倍、4倍」といった異常な高騰は収まりましたが、それでも依然として定価を大きく上回るプレミア価格で取引されているのが現実です。
プレ値幅の縮小という現象
面白いのは、「定価の上昇」と「実勢価格の下落(落ち着き)」が同時に起きていることで、両者の差(プレ値の幅)が縮まっているという点です。これは市場が健全化している証拠とも言えます。
転売ヤーの減少 プレ値の幅が小さくなると、転売目的で買う人の「利幅」が減ります。これにより、純粋に時計が欲しいファンにとっては、転売ヤーとの競争率が少し下がるというポジティブな側面もあるんです。
高騰でロレックスが買えない現状

「値上げしすぎ」という言葉の裏には、「もう普通のサラリーマンには買えない」という切実な悲鳴が隠れています。かつては30代のサラリーマンがボーナスを一括で注ぎ込めば手が届いたサブマリーナーも、今や100万円台半ば。生活費や住宅ローンを抱える一般家庭において、おいそれと手が出せる金額ではありません。
それに加えて、店舗に行っても在庫がない「マラソン」の疲弊もあります。正規店に何度通っても「在庫なし」と言われ続け、並行店に行けば定価の倍近い価格がついている。「お金があっても買えない、あっても高すぎて買えない」という二重苦が、今のロレックスを取り巻く現状です。この状況に疲れてしまい、他のブランドへ移行する人が増えているのも事実ですが、それでもなおロレックスを求める人が後を絶たないのが、このブランドの恐ろしいほどの魅力であり、ブランド力の強さを物語っています。
値上げしすぎなロレックスを今買うべきか
ここまで値上げの背景や現状を見てきましたが、結局のところ一番知りたいのは「で、今は買いなの?待ちなの?」という点だと思います。これだけ高くなったロレックスに、大金を投じる価値はあるのか。資産価値や他ブランドとの比較を交えながら、私なりの結論をお話しします。
ロレックスはオワコンなのか徹底検証

ネット掲示板などでたまに見かける「ロレックスはもうオワコン」という意見。これについては、私は明確にNOだと思っています。
確かに、「誰でも知っている高級時計」から「超富裕層向けの嗜好品」へとターゲット層がシフトしている感はあります。しかし、それはブランド力が落ちたからではなく、むしろ「雲上ブランド」への仲間入りを果たそうとしている進化の過程だと捉えるべきです。パテックフィリップやオーデマピゲのように、限られた人だけが手にできるステータスシンボルへと昇華しつつあるのです。
世界的に見ても需要は衰えるどころか拡大しており、供給が追いついていない状況は変わりません。「オワコン」と言われるのは、単に「買えなくなった人の嫉妬や諦め」が言葉として表れているだけではないでしょうか。ブランドとしての輝きやステータス性は、むしろ高まっているとさえ感じます。
今後のロレックス定価はどうなるのか
今後の定価について、希望的観測を抜きにして現実を直視すると、「下がることはほぼない」と考えた方が良いでしょう。
ロレックスに限らず、エルメスやシャネルなどのラグジュアリーブランドが、一度上げた定価を下げることは滅多にありません。定価を下げることは、すでに購入した顧客の資産価値を損なうことになり、ブランドへの信頼を失墜させる行為だからです。さらに、世界的なインフレ基調が変わらない限り、時計を作るためのコストは年々上がり続けています。
注意点 「いつか安くなるかも」と待っている間に、さらに値上げが行われて手が届かなくなるパターンが一番怖いです。過去の歴史を見ても、ロレックスに関しては「待って安くなった」という試しがほとんどありません。「あの時が底値だった」と後悔しない判断が必要です。
高騰するロレックスと他ブランドの比較

「ロレックスがこの値段なら、オメガや雲上ブランド(パテックフィリップ、オーデマピゲなど)の方がいいのでは?」という比較検討も非常に重要です。予算が200万円あるなら、選択肢はロレックス以外にも広がります。
例えば、オメガの「スピードマスター」や「シーマスター」は、機能性や歴史的背景(ムーンウォッチなど)で見ればロレックスと互角以上の素晴らしい時計ですが、実勢価格はロレックスより手頃な場合が多いです。コーアクシャル脱進機など技術力も申し分ありません。また、もう少し予算を足せば、ヴァシュロン・コンスタンタンなどの雲上ブランドのエントリーモデル(フィフティーシックスなど)が視野に入ることもあります。
ただ、ここで考えなければならないのは「リセールバリュー(資産価値)」と「実用性(堅牢性)」のバランスです。ロレックスほど、買った後の値段が下がりにくく、かつ毎日ガシガシ使える頑丈さを兼ね備えた時計は、他を探してもなかなか見つかりません。雲上ブランドは繊細な取り扱いが求められることも多く、維持費(オーバーホール代)も高額になりがちです。「毎日使える資産」としてのバランス感覚において、ロレックスは依然として唯一無二の存在なのです。
資産価値から見る今後の購入判断

ロレックスを購入する際、どうしても頭をよぎるのが「売る時にいくらになるか」という資産価値ですよね。値上げしすぎた現在の定価で購入しても、将来的に損をしないのか。
結論から言うと、換金率(リセールバリュー)の高さにおいて、ロレックスは依然としてトップクラスです。定価が上がれば、それに引っ張られる形で中古市場の相場も底上げされる傾向にあります。つまり、入り口(購入価格)が高くなっても、出口(売却価格)も高くなるため、実質的な持ち出し費用は意外と少なく済むケースが多いのです。
例えば、定価150万円で買った時計を5年使って130万円で売れたとしたら、実質20万円で5年間ロレックスを楽しめたことになります。これを日割り計算すれば、驚くほど安いコストで所有できたことになります。もちろん投資目的だけで買うのはリスクがありますが、「いざという時に現金化できる資産」を腕に巻いて楽しめると考えれば、この値上げも許容できる範囲かもしれません。
ロレックスが値上げしすぎでも買う理由
最後に、これだけ「値上げしすぎ」と言われても、なぜ私が、そして多くのファンがロレックスを買い続けるのか、その理由をまとめたいと思います。
結局のところ、ロレックスには「定価は今日が一番安い」という鉄則があります。これまで見てきた通り、インフレ、為替、そしてブランド戦略により、今後も価格は右肩上がりで推移する可能性が高いでしょう。2025年、2026年になって「あの時、高いと思いながらも買っておけばよかった」と後悔するよりは、少し無理をしてでも今のうちに手に入れておくのが、長い目で見れば正解になる可能性が高いです。
値上げは痛いですが、それは裏を返せば「持っている時計の価値をメーカーが保証してくれている」とも言えます。もしあなたが今、購入を迷っているなら、次回の改定ニュースが出る前に、勇気を持って一歩踏み出してみることをお勧めします。その時計はきっと、あなたの人生にとってかけがえのないパートナー、そして資産になってくれるはずですから。
